GPI Brief(2010年10月第14号)

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「高齢化と外国人材」特集

グローバルエイジングの中の外国人材:多角的・戦略的視点から日本の新たな政策論議の方向性に向けて

清水 美香(米国・東西センター客員研究員・GPI共同ディレクター)

日本の高齢化は世界的に最も深刻であり、その影響は、対内・対外両面において、史上例を見ない多大なものになることが予想される一方、本課題は、進行度は様々であるものの、世界的に、特に先進国間で刻々と差し迫る問題として存在する。本稿は、日本の高齢化問題をグローバルな変化のコンテキストから見直し、外国人材の側面に焦点を当て、日本の中の議論の現状を精査しつつ、多角的、戦略的視点、特に国内・国際、およびマクロ・ミクロ両方の視点を組み入れた政策論議の方向性を提起する。また、その観点から生まれた現在進行中のGPI-CGP政策プロジェクトについて紹介する。

人的資源のグローバルな還流と日本の活性化:日本の経済社会の新たな発展を考える

内田 康雄(同志社大学総合研究科教授/神戸大学名誉教授)

日本は20年以上の経済の停滞と社会の疲弊から抜けだせないでいる。少子老齢化と単身者の増加は、さらに孤独、孤立が社会構造化するようにみえる。経済社会の活性化のために、新しい活力が国際的に日本に入ることが必要であるが、その議論は激しい反発も巻き起こしている。本稿では、少し間接的なアプローチをとり、世界で発展している各地域がコスモポリタンな社会をつくりながら、どのように優れた人的資本、知識、技術、資本、そして新しいビジネスを呼び込んでいるかに焦点を当て、日本の経済社会の新たな発展のあり方について考察する。

プレーヤーが少ない椅子とりゲーム:世界の看護士「市場」の中の日本

遠藤 十亜希(ハワイ東海国際カレッジ・リベラルアーツ学部・准教授)

日本は慢性的な看護師・介護士不足の解決策の一助とすべく、インドネシアやフィリピンからの看護師の受け入れを開始したが、多くの課題を抱えている。他の先進国においては既に、様々なインセンティブを供与しつつ、熟練した質の高い看護士・介護士を積極的に海外から自国に誘致する戦略を長年にわたり実施してきた。本稿では、移民受け入れ大国である米国や英国での経験に焦点をあて、それを踏まえて今後日本で有効となりうる施策について述べる。

日米における移民・外国人労働者児童の教育に関する実態

上岡 直子(国際NGO Catholic Relief Services上級教育アドバイザー)

米国アリゾナ州において2010年4月に成立した移民法は、移民に対する基本的な権利や福祉の如何をめぐり、大きな論議を巻き起こしている。一方、米国では連邦政府による移民児童への公立学校での無償教育が保証されており、また市民社会が果たす役割も大きく、積極的に移民の福利をサポートしてきた。他方、日本においては、日本国籍を持たない児童については法的に義務教育の対象外であるのが実情である。とはいえ、地方レベルにおいては、比較的新しく、限定的ではあるものの、市民グループや企業が外国人労働者の児童への教育を支援するといった活動も行われている。本稿ではその動向を浮き彫りにする。

2010-10-03 - posted by nowebnolife

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